2021年6月25日(日)
講師 : 中山 秀樹教授 / 熊本大学病院歯科口腔外科
「口腔総合診療医ドクターOS in FOCUS!2021
患者を救え! 病名推理ケースプレゼンテーション」
背筋がピンと伸びた本日のFOCUS!
私たちは、臨床で患者さんに向き合っているときに
患者さんの声にきちんと耳を傾けているだろうか?
口腔内をきちんと診ているだろうか?
固定概念に縛られずに
様々な症例をひとつずつ検証し、正確な診断ができているだろうか?
勝手に不定愁訴と決めつけてはいないだろうか?
専門知識のアップデートができているだろうか?
今回の中山教授の講義は
様々な症例を見せていただきながら、
患者さん一人ひとりとの向き合い方の学びにもなったように感じます。
ー受講生の感想ー
カポジ肉腫という病名を国家試験ぶりに耳にしましたが、この症例はこんなに色々な出来事が密接に絡まり合って真実を隠してしまうという現実を目の当たりにした気分でした。また、がんの化学転移が下顎の痺れとして出ることを初めて知ることができました。その場合は、下顎が悪い、下顎を治せばいいということではなく、全身に転移が進み症状として出たのが下顎だったと捉えました。18歳の少年が、発見からわずか11ヶ月で亡くなってしまうというとても恐ろしい症状を、決して自分が見逃すことがないよう精進します。他の症例においても同じことが言えると思いますが、誰かが下した診断を丸呑みにしないこと。常識に囚われすぎないこと。何かおかしいな?と察知する能力をつけること。そのために様々な症例をみて、勉強を続けることが大切だと感じました。大学病院のような症例を診療室で見ることはあまりないかもしれませんが、何か違和感を感じられた患者様が最初に来る場所、何も異変に気づかれていないときに第一発見者になる者であることを忘れずに、「診断はひっくり返る」ことがあるということを肝に銘じて、診療に臨みたいです。(M.M)
大変為になりましたし、考えさせられました。 患者様の声にも色々隠れてる情報があり、必要な内容に気づけてない可能性があるとなると問題だなと。〔自分が知っている症例と近い情報しか受け取っていない場合が1番こわいですね〕 歯だけでなく命に関わる場合は特にわからずに時間だけが過ぎて手遅れだともうただただゾッとします。 情報と知識は今後も勉強を続けていこうと思います(H.0)
『知らない』という事がいかに恐ろしい事か、『知っている』という事がどれだけの患者さんの悩みを解決して治す事が出来るのか、という事を改めて考えさせられました。(K.Y)
現病歴、既往歴、薬のチェックも作業化してしまっていたので、もう一度、一つ一つについて、気になることはないか、注意することはないか、考えようと思います。自分の担当の患者さんでも何名か、経過観察だったり、紹介先で扁平苔癬や白板症、舌癌などの診断を受けた方もいるので、毎日の診療で診る方全員の口腔内を、歯や歯肉だけでなく、粘膜まで隅々診るぞ!という勢いで、また今日から仕事をしたいと思います。気になる時にDrへ報告する際、どんな言葉で、どんな風に伝えたらいいか分からず、「白っぽい」「赤いとこがある」など、自信なく話していたので、今回見せていてだいた症例に当てはまらないか、どんな状態なのか、もっと詳しく報告できたらと思います。普段からも記憶が風化しないように、症例の載っている本などを定期的に目に通しておこうと思います。(T.N)
中山教授の挨拶文
「今回、熊本大学病院歯科口腔外科を受診された患者さんの中から、興味深い症例を供覧いたします。症例には一例一例、それぞれのドラマがあります。皆さんには、口腔外科の奥深さを感じていただければ幸いです。本講演が知られざる口腔外科疾患の早期発見につながり、緊密な病診連携の一助になることを切に願っています。」にあるように
臨床で患者さんに最初に触れるデンタルスタッフは、ノンクリティカルスキル(組織で問題解決するスキル:物事を正しく「考えるチカラ」や「伝えるチカラ」、他者と正しく議論し「決めるチカラ」や「動かすチカラ」)を身につけ、クリティカルスキル(専門技術)を提供できるようになることが大切であると思いました。
「コミュニケーション力」と「謙虚さ」を持つ医療従事者でいること
今回の教えを胸に刻み邁進したいと思います。
中山教授、ありがとうございました!
次回のFOCUS!は、2021年8月8日
東歯科医院の東克章先生先生による歯周治療の講義です!
「プロフェッショナル歯科衛生士の歯周治療」
お楽しみに!