皆さんは、「歯科衛生士の未来」について考えることがありますか?
私は、いくつかの歯科医院と院内研修や勉強会FOCUS!で若い歯科衛生士・デンタルスタッフと接していると、もっともっとデンタルスタッフが働きやすく楽しめる歯科界にならないかな〜と考えます。
歯科界の発展の時代を作ってきた先生方の元、仕事をしてきた世代である私は、自分中心というよりも、自分を押さえて仕事に身を捧げてきたしそれが当たり前でした。上司が言うことは絶対だったし、SHIEN学で言う「させる/させられる」の関係が私にとっての当たり前だったように思います。
それが悪いとかではなくて、だから今こうやって歯科衛生士を続けていて、法人化ができたと言う感謝の方が大きい。
でも、時代は変わってきていて、私も年齢を重ね…体の不調で2年前は入院したし、更年期障害でホットフラッシュが起こって汗だくになったり…思うことがたくさん出てきました。
私が歯科衛生士の未来を考える理由は、彼女たちは、自然に「してあげる/してもらう」の関係を身につけていて、私に心地よく仕事をさせてくれるからです。
ホットフラッシュの影響で、汗だくで仕事をする私を見て、スッとエアコンの温度を下げてくれたり様々な配慮をしてくれます。そして、それを受け入れて笑ってくれます。そんな優しさを受けていると不思議と、こちらも「ありがとう」の言葉とともに彼女たちの10年後に思いを馳せます。
彼女たちのまっすぐでキラキラした瞳と優しさ、学ぶ姿勢を未来の後輩たちに見せることができれば、きっとその連鎖が続いていくでしょう。
それが、歯科衛生士の輝く未来に繋がっていくだろうと思います。
今年の始めに、個人事業主としての仕事が落ち着いてきたので「私に何かできることはないかな?」と思い熊本県歯科衛生士会の前会長に、歯科衛生士会のことを聴きに行きました。会費は払っているけれど、会の活動にはほとんど参加してない状態でしたが、話を聞くうちに、「歯科衛生士会と歯科衛生士連盟の存在が、歯科衛生士の地位を上げていること」を知りました。
公益社団法人の意味さえ知らない私は、そこから教えていただくことに…
「公益」とは、公益事業を主な目的とし活動している法人で、「不特定かつ多数の者の利益」を表します。誰でも「公益社団法人」を名乗れるわけではなく…まず一般社団法人設立し、その上で内閣総理大臣または都道府県知事から認定を受けて初めて公益社団法人になれるそうです。
すごく労力のかかることを先人たちは行なったのです。
「社団法人」とは、目的を持つ団体が法人格を取得した場合に名乗る組織名。いわゆる「非営利団体」にあたり、得た利益は事業の活動や継続、蓄えにのみ使用できます。株式会社と違って利益の余剰金を「理事や従業員などの構成員」に分配できないそうです。
先人たちが、歯科衛生士の地位向上のために無償で尽力してくださっていたことを知り、ただ、ただ、すごいなと思いました。
社会に認められ、信用されている会
それが「公益社団法人歯科衛生士会」だということ。
そして!
昭和23年、法律ができてから歯科衛生士という職種ができたそうです。普通は職種が先で法律が後ですよね。
また、この会のおかげで法改正に繋がっている。
歯科衛生士の保健指導も法律で決まったこと。私たちが毎日のように行なっている処置に対する保険点数算定。私の大好きな保健指導ができることも、そこに保険点数があることも歯科衛生士会や連盟のおかげ。これがなかったら、私は歯科衛生士の仕事に魅力を感じていただろうか?とさえ思ってしまう。
「自分たちが自分たちの手で確立していく」
「自分たちの地位を自分たちが主になって得ていく」
そんな先人たちを心から尊敬するし、その思いを引き継いでいきたい。
それが、私の歯科界の恩恵に感謝する1つの役割にしたい。そんな思いで、
2020年6月20日、熊本県歯科衛生士会の診療部門の理事を引き受けさせていただきました。
国民の健康を担う「歯科衛生士」という仕事が、もっともっとより良くなるように、私にできることに尽力していきたいと思います。